卒業生より
卒業研究ではニホンイタチにみられる食性の雌雄差をテーマとしていました。卒業後は、在学中に長崎県対馬の独特の生態系に魅力を感じていたことから、対馬をフィールドとする琉球大学の大学院に進学しました。現在はツシマテンの果実利用について研究しています。対馬にはツシマヤマネコ、ツシマテン、チョウセンイタチの3種の中型食肉目が生息していますが、ツシマテン、チョウセンイタチに関する知見は非常に限られています。競合関係にあると考えられるこの3種間の関係について、更なる理解を深めることを目標に、これからも研究を続けていくことができたらと思っています。
ポスドクとして2010年4月から約2年間、金子先生の下でお世話になりました。私は大学院修士課程の時に、当研究室の前身である野生動物保護学研究室に在籍し、ポーランドにおけるオオカミの行動圏利用と活動性を修士論文の研究テーマとしました。ポスドクとしての研究は、ポーランドでの経験を活かして、ブルガリアにおける中大型食肉目の生態に関する研究を行い、特に、イヌ科のキンイロジャッカルの食性研究を行いました。現在は、岐阜大学に異動し、同県の野生動物管理体制に関する業務に携わる傍ら、ブルガリアの研究プロジェクトについて金子先生と共同研究を続けています。将来的には、ブルガリアにおいてオオカミやキツネとキンイロジャッカルとの種間関係に関する研究に取り組みたいと考えています。