私は市街地に生息する外来生物ハクビシンの行動圏について明らかにするために、日夜ハクビシンの追跡調査を行っています。
都市で生活する中で、ハクビシンを目にすることはあまりないかもしれません。しかし、実際は都市にもハクビシンは生息しています。そして、私たちの生活環境に被害を与えるケースがあり、被害は都市部で拡大していると報告されています。こうした状況から、被害を減らすための対策やハクビシンの管理方法を構築することが急務ですが、いかんせんハクビシンの生態は分かっていない点が多く、科学的知見に基づいた効果的な対策がとれているとは言い難いのが現状です。
行動圏とは、動物が生活する上で通常利用する空間的な広がりを意味する生態学的概念であり、管理対象の空間利用パターンを把握するための最も基本的な情報の1つです。そのため、市街地に生息するハクビシンの行動圏を解明することで、生活環境被害の現場における効果的な対策構築に寄与する知見が得られると考え、研究に勤しんでおります。
M2 西澤悠
↑夜間追跡時の1枚。写真中央の電柱の上にハクビシンがいました。