2015年08月08日
秋篠宮殿下に赤坂タヌキの生態調査結果をご報告

7月に、今まで3年間行ってきた赤坂御用地のタヌキの生態について、研究成果のご報告に行ってきました。

6月半ばにブルガリアにいたときにお話をいただき、ご報告に使うプレゼンなどの資料準備と、またそれ以外のことで、何を着ていこうとか、どのように振るまったらよいのだろうなど、いろいろと考えてしまい緊張しました。私はあまりフォーマルな支度品をもっていませんから、出張帰り道のイギリスでグレーのサマースーツを選び、母が超特急で日本人体型にあわせてお直し、真珠のネックレスは姉からの激励貸与で調達です。

今まで、さまざまな場面で自分の研究を話す機会はありましたが、このような高貴な場面で報告するのははじめてでした。普段の学会などでの研究者どうしの会話は、年齢や立場に関係なく対等ですから、敬語をある程度使えたとしても、研究の話になると研究者モードで平常語になってしまうのは失礼なのではないかと心配になり、宮内庁の方にたずねてみたりもしました。プレゼンの準備は、修士の三橋さんがぎりぎりまで一緒にがんばってくれて、予定通りに整えることができました。

いよいよ当日。梅雨の小雨降る中、タヌキ調査プロジェクト代表の科博の川田さんと、東京駅から宮内庁の黒塗りの車にのせていただき、赤坂御用地へ向かいました。テレメトリー調査でわかったタヌキの行動圏や個体間関係、苦労の末やっと見つかったタヌキ家族の繁殖場所の特徴の説明を、殿下は熱心に聞いてくださいました。そして、今までのタヌキ変遷や、御用地の動物をめぐるさまざまなトピックについて、川田さんと3人での会話は、すぐにいつもの研究者どうしのリラックスしたアカデミックな雰囲気となり、私の緊張もやっととれてきて、落ち着いて話をすることができました。