2014年09月26日
ブルガリア調査

9月中旬に、ブルガリアの調査へ行ってきました。ブルガリアの気温は、東京と同じくらいで、日中は30度近くになりますが、湿度が低いため、木陰に入れば涼しくすごせます。

今回は、昨年いけなかったため、イシテンの調査地の見学も行いました。今年3月に卒業した久野君は、村落に生息するイシテンの食性分析を行っていました。イシテンは、テン属の中では珍しく、人為的な環境の中にも住むことが知られています。人為的な環境の中にいても、ゴミあさりなどはほとんど行わないが、庭先になる果実や、廃屋を休息場として利用します。

また、これから新たにに生態調査を行う候補地、シルバーレイクの下見を行いました。アナグマ、イシテン、カワウソ、キツネ、ヤマネコ、ジャッカルなど、中型食肉目が豊富に生息します。

 

 

ソフィア(ブルガリアの首都)の自然史博物館所蔵(写真奥は、担当の学芸員、ソパソフ先生)のヒグマのサンプルから、DNA分析用にサンプリングを行う増田教授(北大)。ブルガリアに現在生息するヒグマは、かつて社会主義だったころに、小型だから恥ずかしいという理由で、ルーマニアなど近隣地域の個体が人為的に移入されてもとの情報がわからなくなってしまった。そこで増田教授らは、過去のサンプルからのヒグマ個体群の評価を試みることにしている。サンプルに付随する情報も丁寧に記録する。サンプル収集地点などが記された記録票はブルガリア語であり、略語も多いので、日本へ帰ってから困らないように慎重に行う。